2021年3月に「流山おおたかの森S・Cアートプログラム 」第2弾として開催されたワークショップ「みんなでつくる海洋プラスチックモザイクアート」の際に制作された巨大クジラの壁画が、この度、什器として生まれ変わりました。
巨大なモザイクアートづくりを通じて、海の環境問題について考える

この作品は、「流山おおたかの森S・C FLAPS 」4階のシーティングスペースに1年間、展示されていた縦/約1.8m、横/約6mの巨大なモザイクアートで、展示終了後、材料の海洋プラスチックを再利用し、施設の什器として再生、館内でコロナ対策用の消毒液スタンドとなって活用されています。
モザイクアートの材料である海洋プラスチックをアップサイクルし制作された消毒液スタンド。

壁面アートから回収されたプラスチックは、色別・種類別に選別され、粉砕、成型の手順を経て、オリジナルタイルに生まれ変わりました。




既製品のプラスチックとは違う、アート作品を見るような感覚で楽しめる什器に仕上がっており、足元の青いペダルを踏むと、消毒液が噴霧される仕組みになっています。

こうしたアート作品をアップサイクルするサスティナブルな取り組みを通じて、館内を訪れた人に、海洋プラスチックによる汚染問題を身近に感じ、考えていただく機会になればと期待しています。

什器を製作したボンアート株式会社のコメント

プラスチックには数多くの種類がありますが、今回壁画に使用した素材は、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)の2種類で、安全に加工できるのが特徴です。
海洋プラスチックの加工については前例が少なく、ノウハウが知られていないことから、知見のある専門家に意見を聞きながら、プラスチックを溶かす際に熱が全体に均等に加わるよう工夫し、型枠を十分に加圧するなど、試行錯誤し、オリジナルタイルの制作に成功しました。

色彩については、子どものおもちゃのカラーをヒントに、わくわく感や好奇心を刺激する色として赤、黄、青、緑に分けて制作、粉砕後のプラスチックの混ぜ方や粒子の色合いの違いによって、一枚一枚表情の異なるタイルに仕上がっています。
こうした什器が目に触れることで、海洋プラスチックの問題に関心を持つ人が一人でも増えていけばと願っています。