一人ひとりの想いを、子どもたちの笑顔につなげていくために

ヘアドネーションとは、ヘア(髪の毛)とドネーション(寄付)を組み合わせた言葉で、病気や事故などで頭髪に悩みを持つ子どもたちに医療用ウィッグを無償提供するため、髪の毛を寄付する取り組みです。2024年8月11日(日)、流山おおたかの森S・C本館1Fケヤキ広場で、美容室TAYAのヘアドネーションイベントが開催されました。当日の様子をお伝えするとともに、活動の主旨などについて、美容室TAYAを運営する株式会社田谷の板谷敦子さんに伺いました。
株式会社 田谷 執行役員広報グループ グループ長
板谷 敦子さん
全国に約70店舗の美容室を運営するTAYAの広報として、企業活動や店舗、スタッフ、また商品などのPRをはじめ、他企業との業務提携によるお客様満足度の向上に取り組んでいる。

子どもたちを笑顔にするプロジェクト

ー今回のイベントの発端となった「スマイルリレープロジェクト」について教えてください。

板谷さん/私たちが2024年6月からスタートしている「スマイルリレープロジェクト」は、小児がん患者の子どもたちへのウィッグ支援を目的とした活動です。美容室TAYAを運営する株式会社田谷とTBCグループ株式会社、株式会社スヴェンソンが共同で企画したプロジェクトで、ヘア、エステティック・スキンケア、ウィッグという各業界でトップクラスの実績を持つ3社が、それぞれの強みを活かしてサスティナビリティ領域における価値共創を通じて、各社のESG推進のみならず、美容業界全体のサスティナビリティ・トランスフォーメーション(※)の牽引を目指す活動の一環です。

※持続可能な社会に貢献する長期的な価値の創出を通じて、企業活動の持続的成長につなげていくために事業などの変革を図ること
板谷さん

板谷さん/今回のイベントは、このプロジェクトの内容を皆さんに知っていただき、ご賛同いただける方を募るためのものです。寄付していただいた髪で人毛ウイッグをつくり、子どもたちに無償で届けるところまでを目的とした活動なので、カット代は無料とし、集まったお客様の髪をスヴェンソン社へ届け、ウィッグを製作します。人間の髪は1カ月で1センチ伸びるため、今回のように25センチ以上伸ばすには、約3年かかります。一人の方の寄付した髪で一人分のウィッグができるわけではなく、1つのウィッグを作るのに数名分の髪が必要です。しかも、医療用のウィッグは、通常のファッションウィッグと内部構造などが異なるため、スヴェンソン社のように医療用まで手がけている企業でなければ、製造は難しいそうです。
ヘアドネーションのしくみ

ヘアドネーションをするには

板谷さん/通常、ヘアドネーションをする場合、髪の毛を提供する方が、ご自身で主催団体を探し、髪を切らなければなりません。美容室によっては、ヘアドネーションに対応していないところもあり、カット代は自己負担になります。美容室はあくまでも髪を切るところまでなので、髪の長さやダメージの状態を所定の書類に記入し、束ねて切った髪を袋に入れて、ご自身で主催団体へ送るのがルールです。規定の長さ、髪は完全に乾いている状態、切り口を輪ゴムでしっかり束ねて送るという決まりなので、ご自宅で髪をカットした場合でも、すべてご自身で準備する必要があります。当社でも、今回のプロジェクト以前は、ヘアドネーションの団体に登録し、自社サイトに対応可能と掲示していました。でも、私たちができるのはカットまでなので、そこから先は、切った髪を入れる袋もご持参いただき、参加者がご自身で行うのを基本としていました。

板谷さん


それぞれの想いが詰まったイベント

ー参加したい方のハードルを低くする上でも意義ある活動ですね。

板谷さん/今回のプロジェクトは、美容を通じて、少しでも病気を患っている方の力になればということで始めた活動なので、こうしたイベントはもちろん、店舗でもお客様にお声がけしています。想像以上に、ヘアドネーションに関心を持つ方が多く、すごく驚いています。イベント当日も、“今日、切りたいのですが”という方がたくさんいらして、流山おおたかの森に住む方の意識の高さを感じました。
イベントの様子

こうしたイベントは、お客様を集めるための広いスペースが必要になるため、インショップで、お店の近くに広場がある環境ということで東神開発さんにご相談したら、ぜひやりましょうと、その場で即答いただきました。館内にポスターを掲示し、ショップニュースも掲載させていただきましたが、告知した瞬間から問い合わせがあり、すぐに予約が埋まってしまいました。
カットの様子

身内の方が病を患ったのがきっかけというお客様や、お子様の七五三が終わって切ろうと思っていた時に、ヘアドネーションで検索したら、当店が表示され、最終的に小児がんのお子さんに届くのなら、ぜひ協力したいという方など、皆さんそれそれの想いが詰まったイベントになり、嬉しい気持ちでいっぱいです。カット後、次のドネーションに向けて、また髪を伸ばしますという方もいらして、本当に開催してよかったと思います。

どうせ髪を伸ばすなら、ヘアドネーションをしたいという方が多く、担い手とプロセスが明確で、必要な方のもとにしっかり届けられる活動だから参加したという声を聞きます。大手3社が集まり、子どもたちのもとに責任を持って届けるプロジェクトなので、皆さんの想いはしっかりつながります。スマイルリレープロジェクトは、12月末までの予定ですが、次の企画に向けて3社で模索中ですので、活動は継続します。

ー参加にあたって、留意点はありますか?

板谷さん/長さは25cm以上で、ダメージの少ない髪であることが条件のため、ブリーチした髪、パーマやカラーリングを繰り返した髪は残念ながら適応できません。加工の工程で髪が耐えられないからです。私たちとしても、ご参加いただく方の髪や想いを無駄にしたくないので、カウンセリングを通じて正直にお伝えしています。今回は特に、子どもたちに届けるという目的なので、ダメージのない未成年の方の髪が最適です。ぜひ、ご参加いただけると嬉しいです。

患者さんにとっては、外見が変わることはとても大きいことなので、少しでも、気持ちの部分を軽くすることができればという想いで立ち上げたプロジェクトです。とりあえず髪をたくさん集めればいいわけではなく、きちんとした形で社会貢献したいと考えています。ご参加いただく方の想いが、一人でも多くの子どもたちの笑顔や喜びにつながるように、ぜひ大勢の方にご参加いただけたらと思います。参加したいけどよくわからない、今の長さでカットできるの?といったご相談にも応じていますので、お気軽にお問い合わせください。

ーありがとうございました。

TAYA 流⼭おおたかの森S・C店 スタッフ⼀同




詳しくは、美容室TAYAのオフィシャルサイトに掲載しております。
ご予約・お問い合わせは、お近くのサロンまで。
https://tayanet.jp/page/smilerelayproject/
https://tayanet.jp/