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#心の豊かさを支える文化づくり

流山おおたかの森S・C グラフィックアワード受賞者
ナカヤマアズサさんインタビュー

「流山おおたかの森S・C グラフィックアワード2020」で大賞を受賞、本Webサイト「おおたかまち図鑑」のトップページを飾るビジュアルの制作でもご協力いただいたイラストレーターのナカヤマアズサさんに、アワード応募のきっかけや作品に込めた想い、流山おおたかの森の街の印象や住み心地、今後の作品づくりなどについてお話を伺いました。

ナカヤマアズサ

福岡県生まれ。絵を描くのが上手な母の影響で、幼い頃からお絵かきに夢中になる。大学で児童教育学を専攻、保育士資格を取得するも、絵を描くことを諦めきれず、Wスクールでグラフィックデザインを学ぶ。その後、制作会社を経て、現在はインハウスデザイナーとして保育施設向けのアプリやWEB開発、ビジュアルデザインを担当。イラストレーターとしても活動中。

不思議な縁を感じて

―― 流山おおたかの森は新しい街ですが、ここに住む人たちのつながりで街を盛り上げ、街づくりに関わっていただくような循環・環境を創っていきたいという思いがありました。その種まきの一つとして、街の文化を地域の人たちと一緒に育むような取り組みができないかと考え、「流山おおたかの森S・C グラフィックアワード」を企画しました。まず、ナカヤマさんがアワードに参加された経緯をお聞かせください。

ナカヤマさん

2019年の第1回応募の時に「登竜門」というサイトで知り、面白い取り組みをしている街があると思って見ていました。その時は、応募が締め切られていて参加できませんでしたが、まさか自分が流山おおたかの森に引っ越してくるとは思っていなかったので、不思議な縁を感じます。

ここに引っ越してきて、流山おおたかの森S・Cで見つけたフロアガイドがすごくかわいかったので、手に取って見たら、表紙のグラフィックに「グラフィックアワード2019受賞作品」と小さく書いてあって、“これだ!”と気づきました。

流山おおたかの森S・C フロアガイド

その後、グラフィックアワード2020のチラシをフロアで見つけて、そこに「地域参加型の審査プロセスを重視します」と書かれていたのがとても印象的でした。

我が家は転勤族で、夫の仕事に伴い5つの県に移り住んできたので、いろいろな街や商業施設を見てきましたが、実際に施設を訪れた人たちが選考し、ここに住む人や訪れた人の意見・想いを取り入れながら作っていこうという姿勢にすごく共感し、これは時間をかけてじっくり作品づくりに取り組みたいと思いました。

流山おおたかの森S・C グラフィックアワードの開催

アートを通じて、新しいまちの文化を育む

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#アート
#参加型まちづくり

時がゆっくり流れる、心地よい街

―― 転勤でいろいろな街を見られてきたとのことですが、流山おおたかの森は、どのように感じていらっしゃいますか?

ナカヤマさん

私は福岡出身で、名古屋、札幌、仙台と移り住んできましたが、関東は今住んでいる千葉が初めてでした。最初、千葉に住むか埼玉か、あるいは東京か、すごく悩んだのですが、「都心から一番近い森のまち」という流山市のキャッチフレーズとブランドマークが目に入り、とてもかわいいと思いました。

流山市ブランドマーク

物件探しで訪れた際に、駅前の商業施設の建物がとてもきれいで、好きなお店がたくさん入っていたこと、アクセスもいいということ、そして何より新設の保育園が多く、息子の転園先を選べることからここに決めました。

人気エリアと聞いていたので、交通量や人の多さを少し心配しましたが、実際に住んでみると、そんなこともなく、街全体に開放感があってすごく広々としているし、時間がゆっくり流れていて、心地よい街に感じます。

―― グラフィックアワード2020の「NEW STAGE」というテーマについては、どのようにお考えになりましたか?

ナカヤマさん

まず“チャレンジ”や“ワクワク”という言葉を連想しました。

おおたかの森の駅に降り立った時の心地良い開放感やきれいな街並みといった魅力と豊かな自然については、必ず描こうと決めていました。

あと、応募のきっかけとなった「そこで暮らす人々と一緒にまち作りをしたい」というS・Cの姿勢を、そのまま絵にできないかと考え、新しい建物、昔から住んでいる人たち、子供も大人も関係なく、街全体丸ごとみんなで一緒に次のステージへ向かっていくような絵柄にしました。

普段はどちらかというと線画を得意としているのですが、私の中に浮かんだおおたかの森が優しくて穏やかなイメージだったので、その雰囲気に合わせて、線をすべて取り除き、温かみのあるタッチにしました。街の描写の中に、馴染みのある流山おおたかの森 S・Cの外観やつくばエクスプレスの新型車両を描き入れて、住んでいる人に気づいてもらえたら嬉しいなと思いながら制作しました。

受賞作品「ぼくたちの街の物語」

身近なことから始められる、SDGs

――本Webサイト「おおたかまち図鑑」は、「森のまちから考えるSDGsとこれからのまちづくり」をテーマに、SDGsを少しでも暮らしの身近なところに引き寄せたいということで、まず知ることを第一歩にしようというのを全体のコンセプトとしています。

ナカヤマさんには、アワードにご参加いただいたご縁で、TOPページのビジュアルとして描いていただいたイラストをはじめ、SDGsを表現したさまざまなアイコンづくりにもご協力いただきました。

SDGsを表現したアイコン達

ナカヤマさん

打ち合わせの時に、サイト名の候補案をちらっと見せていただいたのですが、その中に「図鑑」という言葉があって、そこから本の上に広がる街並みのイメージが浮かんだので、それを絵にしました。

でも最初、サンプルとして見せていただいたビジュアルは地図をベースにしたイラストで、その時の依頼内容も、背景に街があってアイコンが並ぶような感じで…ということだったので、私の思いつきで描いた本のイメージだけだと、ちょっと方向性が違うかなと思い、依頼に沿った地図っぽい雰囲気のものも別案として描きました。

――当初、サイトの世界観を表すのに、街を地理的に表現した方がわかりやすいのでは、と考えていたのですが、楽しさや親しみやすさが出にくいなと悩んでいました。

でも、そういうものをすべて含んだ上で昇華して、ぴったりのイメージに仕上げていただいたので、よかったと思っています。

TOPページ ビジュアル

ナカヤマさんご自身は、SDGsについて、どのように捉えていらっしゃいますか?

ナカヤマさん

恥ずかしながら、SDGsについては言葉としては知っていたものの、どこか他人事に感じていたところもあって、このままだとちょっと描けないなと思い、まず流山の図書館でいろいろ調べました。

すると、エコバックやペットボトルのリサイクルなど、すでに身近なところで取り組んでいたこともあるし、我が家の場合は転勤が多かったので、地域ごとに異なるゴミの分別は特に意識していました。

今回描いたイラストレーションは、年齢に関係なく、小さな子でもわかるようなビジュアルにしたいと思っていたので、息子と一緒に “この絵の中に17個のマークがあるんだよ。探してみよう”といって、一つひとつ見つけながら意味を説明しましたが、そういう時間がとても楽しかったですね。息子は、虹に意味がないことにショックを受けていましたけど(笑)。

スーパーでお菓子を買う時に、“今日は、フェアトレードマークのついたチョコレートを探そう!”といった遊びもしてみました。小さいうちから、そうやって楽しみながら身近に感じてもらうことが大切かなと思います。

世界規模で持続可能というと、ちょっと遠い感じがしますが、今暮らしている街が発展しながらも、心地よい状態で住み続けられる街であり続けてほしいし、そのために何ができるのか、という身近なことに引きつけて考えれば、自分事として取り組めると思います。

――最後に、今後の抱負、目標はありますか?

ナカヤマさん

これまで何度も転勤を繰り返してきましたが、それぞれの街に特徴があり、空気感も違って、そういうものが暮らしや子育てに影響するのを肌で感じています。

だからこそ、そこに暮らす人が心地よく、自分の住む街を好きといえるような街づくりに、イラストレーションやグラフィックの力で役立てたらいいなと思います。

日々の生活の中で、誰かにいいなと感じてもらえる仕事、例えば、それがケーキ屋さんの名刺やパッケージでも、街で目にするポスターでも、息子が手に取る絵本や本の装丁でもいいのですが、そういう暮らしに関わる小さいものから大きいものまで、好きだなと思わず手に取りたくなるような、見た人の心が弾むようなイラストレーションを描けたら幸せです。

絵を描くときはいつもストーリーを意識しているのですが、例えばそれがぱっと見ただけですべて理解できなくても、見ているうちに発見があったり、そこに物語を感じたり見る人によってさらに広がっていくようなものを作っていくことが目標です。

流山おおたかの森に住む人たちの街に対する想い、つながりというのは、これまでのどの街よりも強く感じています。そういう魅力を伝えるためにイラストレーションやグラフィックは役立つと思うので、街の魅力を発信するのにいろいろな形で協力できるといいなと思います。

――ありがとうございました。

森のまちから考える
SDGsとこれからのまちづくり

「SDGs」という⾔葉をご存知ですか︖
Sustainable Development Goals(持続可能な開発⽬標 : SDGs)は、
簡単にいえば、誰もがしあわせに暮らし続けることができる世界を、
次の世代につなぐために、みんなでできることをしていこうという⽬標です。

そういわれても何をすればいいのだろう︖
自分にできることって、あるの︖
そう⼾惑う⼈もいると思います。

でも実は、とても⾝近な、⼩さなことから始められるものなのです。
わたしたち流⼭おおたかの森S・Cでも、⼩さなことから⼀つ⼀つ、
積み重ねていくことが⼤切だと考え、取り組みをスタートしています。
みんなが暮らす、この街を、もっとよりよいものにしていくため、
ぜひ⼀緒に、サスティナブルなまちづくりに取り組んでいきませんか︖